振袖から訪問着の仕立て直しってできるの?

振袖を訪問着に仕立て直しできますか？というお問い合わせがよくあります。

正確にお答えすれば、まずは振袖を拝見してみなければわからないというのが正直なところ。
仕立て直しに向いている振袖もあれば、そうでない振袖もあるのです。
振袖の柄の大きさ、柄の配置、地色、八掛けなど様々なポイントを総合的に見て提案させていただいております。

和福屋（浜松）・和ろうど（静岡）スタッフが大事にしている判断ポイントがありますのでご紹介いたします。

▼ポイント①「お振りの柄」

訪問着の袖丈は1尺3寸～1尺4寸ほど。
お振りの柄と袖底の間に少し空間があるとより美しく見えるので、そのバランスや、着られる方の身長などから袖丈の長さを計算しています。
以前の振袖は訪問着に仕立て直ししやすいような柄付けがされていました。
こちらの振袖がそうですね。

お振りをカットしても柄がきれいに残るように工夫されています。
こちらの振袖の場合、肩山から1尺3寸のところで袖をカットしてもいいですし、振袖の袖底にある柄が出るように仕立てることも可能です。

一方下の写真の振袖はお振りいっぱいに柄付けされているため、カットすると柄が途中で切れてしまいます。

訪問着への仕立て直しには向かないので、振袖としてそのまま大事に保管されることをおすすめしています。

ちなみに袖丈カットのみの加工であれば2ヶ月ほどでご返却できます。
至急の場合はご相談くださいませ。
なお代金は7000円(税別)で承っております。

実際にお袖カットした方のお声もHPで紹介中
→思い出の振袖を訪問着に

▼ポイント②「地色」
振袖は鮮やかな地色のものが多く、赤やパッションピンク、ライムグリーンのものもあったりしますね。
これは振袖がご自身のお祝いのために着られる着物だから。
それに対し訪問着は誰かのために着る着物なので、パステルカラーやシックな色で一歩控えた印象のものがほとんどです。
そのため訪問着としては派手すぎる地色の場合は、染め替えが必要となります。

訪問着への仕立て直しではないですが、和福屋で染め替えをさせていただいた着物をご紹介します。
ご自身の赤い振袖（右）をチョコレート色（左）に染め替えられました。

お客様と入念な打ち合わせのもと、オシャレなチョコレート色に染め上げました。
染め替えが必要な場合は色見本帳の中から希望の色を選びます。

HPでこちらのお客様の感想も紹介中
→染め替えで生まれ変わったお着物

お客様のご要望を伺いつつ、お顔映りやご年齢、着用シーンなどを考慮しながら一緒に地色を決めていきます。
なお、染め替えの場合は色の選定、洗い張り、仕立て直しなど工程が多いため、ご返却までに半年いただくことがございます。
（※染め替えにはまず元の地色を脱色しなければならない場合があり、振袖がその加工に耐えうるか否かも大事なポイントです。）


▼ポイント③八掛の色
袷の着物には八掛がありますね。
八掛は袖口や裾から少しのぞくので、意外と重要なチェック項目です。
振袖の場合、八掛も華やかさ重視なので、派手な組み合わせのものもしばしば。
こちらの振袖も表地は紫でシックでも八掛は赤というなんとも若々しい組み合わせ。

訪問着は先ほども記述した通り、振袖よりも一歩控えた着物になるので、共色（訪問着と八掛が同色）や上品に見えるように選びます。
八掛を変更する場合も、お客様としっかりチェックして選んでいきます。

（振袖の染め替えが必要な場合は、無地タイプの八掛に限り共色で染め上げることも可能です。）


思いのつまった振袖を形を変えることでより長く楽しみたいけれど、どうしたらいいのかわからない。
結局仕舞いっぱなしにしてしまっている方たくさんいらっしゃると思います。
文章だけでは伝わりづらいこともあると思いますので、まずはお気軽にご相談ください。
アフターケア診断士がお客様にとって最善のご提案をいたします。



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